第147矢:アインシュタインの眼『クレー射撃 〜0.6秒で撃ち落とす技〜』 #shooting [おとうの独り言/射撃系]
大佐ぁとか信田銃砲・若旦那さんの呟きをみるまで全く知らなかった番組なのですが・・・
大ファンの元ヤクルト古田選手がメインキャストなんですね。。。
知らなかった・・・
そして観たら面白かった・・・
なにかNHKと聴いただけでうっすらと敵対心を感じる(←意味無し)刷り込みがおきていたため,滅多にチャンネルがNHKさんになることはなかったんですよね。。。
そうその昔「できるかな」のノッポさんとゴン太君を熱心に観ていたくらいで・・・
で,その天下のNHKさんのBSプレミアムというチャンネルの土曜18:00〜18:44で放送されておりますこの番組。(再放送は火曜12:00〜,水曜24:15〜)
今回おとうにとって・・・
いや日本全国●万人のシューターさん(←そんなにいるかな?)の待ちに待っていた映像を撮ってくれたのです!
『クレー射撃 〜0.6秒で撃ち落とす技〜』
北京五輪ファイナルで大活躍した中山由起枝選手の協力のもと,彼女の射撃を徹底分析!
アインシュタインの眼が誇るハイテクカメラを駆使した映像,そしてスポーツ科学分野のスペシャリストの方々の分析と意見を交え,トップシューターのトップたる所以を解析しているのです!
映像・画像は天下のNHK様のものですのでご紹介出来ませんが,興味深い内容のいくつかをご紹介致しましょう!
番組は北京オリンピック女子トラップ競技ファイナルの様子から・・・
何度見直しても悔しい3位のメダルを取り損ねた時の闘いの様子が映ります。
うーん。。。
あとでまたDVD見直そ。。。
激闘を繰り広げた中山由起枝選手を訪ねて皆さんよくご存知のT木県の射撃場へ・・・
NHKさんらしく,そこかしこに特別に許可を頂いて撮影していますというテロップが入り,十分に安全と法の遵守を意識している番組作り・・・流石です。
そして中山選手の実射を交えながらクレー射撃・トラップ競技の解説をしていきます。
中山選手が実際にクレーを捕らえるスピードはクレーが放出されてから0.6秒!
中山選手曰く,最も的確にクレーを捕らえる事の出来る距離が射台から35mくらいのところ・・・
これが0.6秒で撃ち落とせる距離という事になる訳です。。。
0.6秒・・・
すげっすね。
公式大会で中山選手をはじめ,トップシューターさん達の射撃は皆さん早い!
って言うか,自分が遅いんですけどね。。。
時間云々というよりは,自分が撃ち落とす為のエリア(これが所謂35mラインですかね)が間違いなく存在し,そこで的確にクレーを落としていっていますよね。
自分の射撃に振り返ってみると・・・
もう涙しか出ませんね。。。
さて,この0.6秒(35m)での撃破を科学的に分析していくのがこのアインシュタインの眼の真骨頂な様です。
最初に取り組みましたのは散弾の発射の様子。。。
どのようにして散弾のショット(粒々)がクレーを破壊していくのかを映像で捉えるというものでした。
使いましたのはウルトラハイスピードカメラ!
なんと1秒間に100万コマが撮影出来るとのこと。
かわりに録画出来る時間はなんと1/400秒。。。短っ!
まずは発砲の瞬間!
銃口からショット&ワッズが飛び出る瞬間の映像が見事に捉えられております!
すばらしい!
うぉ〜!
押し出されてるって言うのが良くわかりますね〜。。。
すげぇ〜〜〜!!!
続いて銃口から70cm。
まだまだショットは塊でワッズがそのお尻にくっついてる感じ。。。
2m。
ワッズが離れ始めますね。
10m。
ショットが四方にそして前後にも拡散し始めています。
ショットコロンができてきてますね。
20m。
さらに拡散。。。
そして35m。
画像上ではかなり拡散してる様に見えましたが,ショットの一つ一つがわかる程のクローズアップ画面ですからね。
実際はそれでもかなりの密集のはずです。
そして35mラインに吊るしたクレーを粉砕していく様子。。。
最初の1粒2粒は当たってもクレーに弾かれていますね。。。
ショットが何発も当たるうちに次第に撃ち抜かれ,砕けていくクレー・・・
まるでマシンガンの乱射を受けているようです。
すばらしぃ〜〜〜!!!
これも,をぉ〜〜!!って感じの映像ですよね。
ウルトラハイスピードカメラ様さまです。
番組ではここでゲストコメンテーターとして小倉智昭さんが出て来ます。
北京オリンピックのファイナルのときもゲスト解説で呼んでくれれば良かったのに。。。
古田敦也&小倉智昭というお喋りコンビですからいろいろトークも弾みます。
そんな中,次の話題は中山選手の身体能力のお話に移っていきます。
まず科学的に分析されましたのは,中山選手の眼の動き。
クレー放出時の眼の動きと実際の射撃動作の開始のタイミングを計ったところ,放出されたクレーを視認するより前に射撃動作に入っていることがわかりました。
この初動の早さが0.6秒(35m)の射撃に繋がってくる訳ですな!
ならば中山選手の動体視力が凄いのだろうと測定してみると・・・
特別凄い訳ではないようで。。。
でも代わりに凄かったものが・・・
「瞬間視力」
瞬間的に物事を認識する能力がずば抜けている事がわかったのです。
クレーが放出された瞬間に的確にその情報を判断し,放出されたクレーの方向に応じた射撃動作に移り,そして引き金を落とす!
ここがミソであった訳です。
もちろん瞬間視力により瞬時に的確な判断が出来ても,射撃動作が正確でなければ意味がありません。
そこでチームアインシュタインさん達は,多方向からのハイスピードカメラ映像で中山選手の射撃動作を分析したのです。
その中でも特筆すべきは頭上からの視点で動きを捉えた映像!
射撃動作の回転軸のブレを確認するには最も適したものとなると思われます。
以前,自分で射撃フォームを自分なりに考察した際にこの軸のお話をしたかと思います。
この時に実射映像として欲しかった情報がまさにこの視点での射撃フォーム確認となります。
さてさて実射映像は・・・
中山選手。。。
まったく頭(軸)がブレることなく右にとんだクレーを落とします。
違う角度からの映像では,肩の動きに着目!
ここも銃を振りながらも最小限の動きで抑えている事がわかります。
「無駄のない正確な射撃動作」
これもまた0.6秒の射撃を支える大きな要素な訳です。
自分に当てはめてみると・・・
きっと間違いなく上体はクレーを追って突っ込み気味となり,軸などどこに存在するのかと言わんばかりのバタバタした射撃動作・・・
眼に浮かびますね。。。
これではいかんのですよ。
理想となる射撃を実感しやすい角度で,そしてハイテク映像で解説してくれるこの番組。
素晴らしいっす!
そして番組はさらに突っ込んだところまで追っかけてくれています。
引き金を落とす瞬間。。。
中山選手はどんな状態なのか・・・
中山選手に心拍モニターを取り付け,発砲の瞬間の心拍状態を測ってみたのです。。。
中山選手本人も驚くなかれ!
なんと発砲の瞬間は全て心臓の鼓動の合間に行っているのです。。。
鼓動の瞬間というのは一般的に身体が動きやすくブレやすい状況になっているそうで,それがない鼓動の合間に発砲する事は正確な射撃動作をする上では理想的な状況なのだそうです。
呼吸とかではなんとなく意識してこれをコントロールして発砲動作に移っていますが,心臓の鼓動まではコントロール出来ません。
中山選手も意識してこれが出来ている訳ではなく,膨大な練習の中で自然に培われた能力なんだと思いますね。
そう,「0.6秒で撃ち落とす技」の最後のポイントは・・・
「心臓を止めて撃て!」
ってことですね!←ムリ
しかし今回素晴らしい映像,データの数々を揃えてくれたNHKさんや,協力してくれた猟用資材工業会の方々,日クレさんもそーかな?射場さんや大学・研究機関の皆さん,そして中山由起枝選手に感謝ですね!
この番組を「へぇー!」ボタン連発で観ていたシューターさんはいっぱいいると思います。
いろんな疑問点や,根拠のなかった事に答えを出してくれたところも多かったんじゃないかな?
できれば・・・
この番組を観て,射撃を始めよう!って思ってくれる人が増えてくれると良いんですけどね。
NHKさん。
いや民放各社さんも含めて・・・
何でも良いので世の皆様にスポーツとしてのクレー射撃の面白さを伝えてくれる番組をまた作って下さいね!
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