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「父」:さようなら貴乃花 [おとうの独り言]

 昨今のニュースでは先代貴乃花の葬儀,そして若貴の確執についてとりあげております。おとうが物心ついて相撲のテレビ中継を見るように(いやオヤジに無理矢理見せられてたが正解かな?)なったのは小学生の頃でしょうか・・・当時は北の海,輪島が東西の横綱を不動の位置として君臨し,貴乃花が大関,小結に高見山といった時代でありました。妙な記憶として麒麟児と富士桜のつっぱり合戦(毎取組お互い維持になってつっぱりあいます)が鮮明に残っております。ですからおとうの中では横綱・北の海,大関・貴乃花(もち先代)という固定観念ができあがっております。
 さて,相撲の話がしたかったわけではないしあまり詳しくないのでこの辺にしておいて,先代の貴乃花が亡くなった件について話を戻しましょう。実はおとうも今年になって父を亡くし,兄夫婦,おとう夫婦&母で葬儀をおこないました。特別兄と確執はありませんが(笑),まあ自分的には近しいシュツエーションと感じております。報道では貴花田(現・貴乃花:まぎらわしいので)が涙を流さないと批判の声を浴びせられておりましたが,おとう(次男)も父の死以後,涙を流しておりません。自分でも不思議なほど父の死をある意味客観的に見てしまっているのかもしれません。正直,じっくりと思い出を心に浮かべればなんぼでも泣けることでしょう。だって最近ちょっとした映画見てもすぐ感情移入してジワッときちゃうんだもん。そんなおとうが泣けない,いや泣かないのは多分自分で感情高ぶらせないようにリミッター効かせてるんでしょうね・・・いろいろあってそういう風に物事を考えるようになっちゃいましたから・・・でも,泣いていいとき,泣きたいときも自分を冷静においてしまう自己防衛のクセってちょっと損ですよね。これは第3者から見れば冷たい人とも見られがちです。(貴花田がどうなのかは知りません)だからおとうはそういう顔を笑顔でごまかします。これも変なんですけどね。
 父は長く闘病生活を送っており,一時はかなり弱って貴乃花が若花田に言った最後の言葉「マサル,もう無理だ」という言葉があまりにマッチしてしまうような状況となっておりました。この時にもし亡くなっていればより大きなショックを感じたと思います。でも今年になって病状も激変(良い方にね!)し,これからリハビリで体力をつけていけばOKという矢先の死でした。急報に駆けつけたところ,その死に顔はあまりにも穏やかで,なにか全てを安心させられる顔で眠っておりました。今思えばそんな顔で亡くなったのは父の家族への最後の心づかいだったのでしょう。目立たず,後ろでじっくりと誰かのためにだけ何かをする。家族だけでなく,親族だけでもなく,ご近所や交友関係の全ての人たち(大人も子供も)に「パパ」と自然に呼ばれる父でありました。
 また話がずれちゃった。そうじゃなくって,貴乃花の生前の映像をみたときに,ふと思ったことがあります。貴乃花だけでなくって,坂上二郎さんであるとか,伊東四朗さんであるとか,そこそこお歳をめされた男性タレントの顔をじっくりと見たとき,顔が似ているとか似ていないとかではないのですが,顔のシワの感じとか,笑った感じであるとか,そんなちょっとしたところ,一瞬のそぶりに自分の父の存在を感じることがあります。これは父が亡くなる前,そうですね苦しい闘病生活を重ねていた頃からでしょうか・・・いままで特に意識していなかった父の存在をそういった一瞬の中に感じることが多くなったのです。そんな時はなぜか幼い頃の父との思い出,神宮球場(当時外野は野原)に野球をみにいったこと,深大寺まで自転車でマス釣り(昔はマス釣り場があった)に行ったこと,神田のそば屋で月見そばを食べたこと,墓参りに行って墓の場所を忘れお腹が減ってお供えのおはぎを食べちゃったこと,etc・・・そんなことを思い出します。ああ父といた日々があったんだ・・・と。悲しみは今でもあまり感じていませんが,父の存在をかみしめることは日常となっているきがします。我が子にも将来くるであろう日まで父としての存在をすり込んでやろうと思っております。でもすり込むとヒゲが痛いのなんのといやがられます・・・(すり込み方が違うだろうって・・・)
 大きく話は脱線しましたが,先代貴乃花関,そして我が父をちょっと偲んでダラダラと書いてみました。

P.S. 父の葬儀の際,遺影として母と義姉が選んだ写真は父が数年前小学生の同窓会に出席した時のものです。笑った写真があまりない父が,ちょっと入ったアルコールのせいでしょうか?じんわりと笑みを浮かべこちらをみているその顔には父の総てが写っているように感じます。総てが写りすぎてよく見ると鼻毛が出てるのも写ってます。まあそれもいつもの父ですからいいです。遺影の出来があまりに良いので,葬儀屋に親族一同分の写真を焼き増しし,みんなに配りました。宇都宮の我が家でも,リビングで父が毎日子供たちのギャーギャー騒ぎをじんわりと笑いながら見つめております。そう,いつも通りに・・・


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ノーブル

読んでて泣いちゃったじゃないの!
by ノーブル (2005-06-05 09:05) 

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