長い旅・・・ [おとうの独り言]
旅立つ港には手をふる者も数えるほど。。。
きっと帰らぬ旅になるのであろうと皆思っていたのだろう。
自分でさえ再びこの地に戻ることは不可能だろうと覚悟の上の出発であった。
与えられた船はこれまで慣れ親しんできた船ではない。
目的地にちゃんと着けるのか?
そもそもまっすぐ進めるのか?
不安だらけの旅であった。
目的地は果てしなく遠い。
順調に旅しても到着するのはいつのことか。
最果ての地への旅路は孤独なもの。
時折届く便りが故郷と自分とを繋ぎとめてくれている。
あれから何年経ったのだろう。
旅立った地ではもう自分のことを覚えていてくれるものはいないかもしれない。
旅の途中,マストは折れ,舵は曲がり,浮いているのも不思議なほど。。。
便りを書く手もままならぬようになってしまった。
でも諦めない!
旅をすることこそが自分の存在価値なのだから!
自分を信じている人が一人でもいるのならば,一歩でも二歩でも前に進むんだ!
・
・
・
ようやく最果ての地へたどり着くことが出来た。
果たして到着の便りは故郷に届いているのだろうか。
例え忘れ去られていようとも自らの使命はやり遂げたい。
満身創痍の中,ようやく故郷への土産を手中にした。
いや正確には手中にしたかもしれない・・・だ。
傷ついた我が身では,手にしたものが本当にあるのか無いのかさえ感じることが出来ない。
もはやこの身体を動かしているのは故郷へこの土産を届けようという志のみ。
本能だけに身を任せ,故郷への旅路になんとかついてみせるんだ。
・
・
・
再び何年の歳月が経ったのだろう。
もはや私に出発時の面影は無いかもしれない。
しかしようやく私は帰ってきたのだ。
故郷が手の届く距離にある。
もうすぐ帰れるのだ。
でも我が身は故郷の地を踏むことは出来ないであろう。
願わくばこの土産の入った宝箱だけでも故郷に届けたい。
この身が朽ちようともこれだけは故郷で帰りを待つ人々のために届けたい。
これから最後の仕事をしよう。
きっとこれでお別れだろう。
長い長い旅であった。
最後に故郷の風景を写真に収めて宝箱と共に届けよう。
これが届けばきっと自分の旅が無駄でなかったことを証明してくれるであろう。
そして私は塵となろう・・・
再び故郷の地を踏むことは叶わなかった・・・
でも,せめて自分のたどり着いた地を・・・
その最果ての地の一端だけでも故郷に伝えたかった。
自分の旅は成功だったのだろうか・・・
たどり着いたゴールのほんのひと握りの・・・いや芥子粒ほどの土産を故郷の人々は手にすることが出来たのだろうか。。。
でも自分の目でそれを確かめることはできない。。。
この世を去り,数ヶ月のときが流れた・・・
天国へも便りは届くのだろうか・・・
もはや自らの意思があるのかないのかもわからない・・・
でも混沌とした意識の向こうで誰かが叫んでいる・・・
「やった!地球外物質だ!」
土産は届いていたようだ。。。
イトカワという名の最果てへの旅は成功だったのだろうか・・・
自分を継ぐ者が再び最果ての地・・・
いや最果ての空の向こうにあるどこかへ旅立つ日があることを神が告げてくれた。。。
これで自分は天寿を全うできる。
誰もが不可能と言った旅をやり遂げ,眠りにつくことが出来る。
我が名は,MUSES-C。。。
二つ名を,小惑星探査機はやぶさという。。。
きっと帰らぬ旅になるのであろうと皆思っていたのだろう。
自分でさえ再びこの地に戻ることは不可能だろうと覚悟の上の出発であった。
与えられた船はこれまで慣れ親しんできた船ではない。
目的地にちゃんと着けるのか?
そもそもまっすぐ進めるのか?
不安だらけの旅であった。
目的地は果てしなく遠い。
順調に旅しても到着するのはいつのことか。
最果ての地への旅路は孤独なもの。
時折届く便りが故郷と自分とを繋ぎとめてくれている。
あれから何年経ったのだろう。
旅立った地ではもう自分のことを覚えていてくれるものはいないかもしれない。
旅の途中,マストは折れ,舵は曲がり,浮いているのも不思議なほど。。。
便りを書く手もままならぬようになってしまった。
でも諦めない!
旅をすることこそが自分の存在価値なのだから!
自分を信じている人が一人でもいるのならば,一歩でも二歩でも前に進むんだ!
・
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ようやく最果ての地へたどり着くことが出来た。
果たして到着の便りは故郷に届いているのだろうか。
例え忘れ去られていようとも自らの使命はやり遂げたい。
満身創痍の中,ようやく故郷への土産を手中にした。
いや正確には手中にしたかもしれない・・・だ。
傷ついた我が身では,手にしたものが本当にあるのか無いのかさえ感じることが出来ない。
もはやこの身体を動かしているのは故郷へこの土産を届けようという志のみ。
本能だけに身を任せ,故郷への旅路になんとかついてみせるんだ。
・
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・
再び何年の歳月が経ったのだろう。
もはや私に出発時の面影は無いかもしれない。
しかしようやく私は帰ってきたのだ。
故郷が手の届く距離にある。
もうすぐ帰れるのだ。
でも我が身は故郷の地を踏むことは出来ないであろう。
願わくばこの土産の入った宝箱だけでも故郷に届けたい。
この身が朽ちようともこれだけは故郷で帰りを待つ人々のために届けたい。
これから最後の仕事をしよう。
きっとこれでお別れだろう。
長い長い旅であった。
最後に故郷の風景を写真に収めて宝箱と共に届けよう。
これが届けばきっと自分の旅が無駄でなかったことを証明してくれるであろう。
そして私は塵となろう・・・
再び故郷の地を踏むことは叶わなかった・・・
でも,せめて自分のたどり着いた地を・・・
その最果ての地の一端だけでも故郷に伝えたかった。
自分の旅は成功だったのだろうか・・・
たどり着いたゴールのほんのひと握りの・・・いや芥子粒ほどの土産を故郷の人々は手にすることが出来たのだろうか。。。
でも自分の目でそれを確かめることはできない。。。
この世を去り,数ヶ月のときが流れた・・・
天国へも便りは届くのだろうか・・・
もはや自らの意思があるのかないのかもわからない・・・
でも混沌とした意識の向こうで誰かが叫んでいる・・・
「やった!地球外物質だ!」
土産は届いていたようだ。。。
イトカワという名の最果てへの旅は成功だったのだろうか・・・
自分を継ぐ者が再び最果ての地・・・
いや最果ての空の向こうにあるどこかへ旅立つ日があることを神が告げてくれた。。。
これで自分は天寿を全うできる。
誰もが不可能と言った旅をやり遂げ,眠りにつくことが出来る。
我が名は,MUSES-C。。。
二つ名を,小惑星探査機はやぶさという。。。
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うんうん・・・
いいね、すごいね、はやぶさ。。。
スムーズなミッションでなく、数々の困難を乗越えての大成功、感動しますよね。
川口教授が500点満点といった気持がよくわかる気がします(*^^)v
by さすけ (2010-11-17 12:15)
いやに詩的な文章だなぁ~、と思ってずっと読んでて、最後にわかりました。
はやぶさの事だったんですね。
(てっきりまた食べ物ネタか、怪獣オチかと思いました。)
資源のない日本にとっては、この手の探査は必要な上、はやぶさの一件は
快挙なんですけどね。
この手の科学関連の予算も、軒並み事業仕訳で削られてるし。
日本&子供たちの未来が、少しでも明るいように、今の私たちが頑張らないと。。。
そういえばパイオニア10号も、今頃どの辺を飛んでいるんでしょうね。
by SHINDEN (2010-11-17 13:09)
さすけっち
なんだろうね。。。
日本人だからですかですかね。
科学的な成果もさることながら,浪花節的に戻ってきたことに感動してしまいます。
ほら,おとうっておセンチだから。。。ウフッ
by おとうたま (2010-11-18 08:22)
SHINDENさん
おとうはヴォイジャーが気になってます。
何年かあとにヴィジャーになってエンタープライズ号と対戦してくれるかどうか心配です。(←わかるかな?)
さて,食いもんでも怪獣でもないんですけどね。。。
書きながら自分で思いましたよ。
この手のオリジナルな文章作りは苦手だな。。。って。
パクリとかだったら得意なんですけどね!(←自慢にならない)
この手のは,ぼぇたとかメトロンちゃんが得意なんですよね。
二人とも根っからの嘘つきですから。。。(←断定してる)
by おとうたま (2010-11-18 08:26)
>何年かあとにヴィジャーになってエンタープライズ号と対戦してくれるかどうか心配です
そーすると、さすけや おとうは、「炭素ユニット」と呼ばれるわけですな。。。
by さすけ (2010-11-18 18:31)
さすけっち
そーですね。。。
おとうは創造主として融合を目指したいと思います。
by おとうたま (2010-11-18 20:12)
オオ~ッフぅ!
おもわず、星野之宣の未発行短編集でも発売されたのかと思ってしまいましたぁぁぁ~~!
(JAXA相○原っていえば、うちの2、3km先にあるらしい。今回の報道で知るまで、妖しい研究所だと思ってた)
by 前後不覚なり (2010-11-23 21:41)
前後不覚なりさん
ご無沙汰です。
そーでしょ。
星野チックワールドっぽいでしょ。
2001夜物語でほぼこんなような話がありましたよね。
イメージ的にはアレですね。
by おとうたま (2010-11-24 08:34)