シン・ゴジラ ~日本の本気~ #シンゴジラ #庵野秀明 #樋口真嗣 #godzilla #ゴジラ [映画大好き!]
待ってました。。。
日本で12年ぶりの新作ゴジラが作られると聞いたのが1年前の6月くらいだったか・・・
かなりテンションあがりましたね!
そしてその総監督,特技監督には,庵野秀明,樋口真嗣の二人が入るとのこと!
自分とほぼ同世代の,昔からの『特撮マニア』の二人が創り上げていく新たなゴジラ像がいかがなものか!
期待と不安の両方を正直に感じましたね。。。
それからほぼ1年が経ち。。。
エキストラも何回か参加させて頂きました。(そーいえば一番最初はそれこそ1年前の7月末でしたね)
日本のゴジラ作品としては29作目,ハリウッド版と合わせれば31作目となる新たなるゴジラ。
シン・ゴジラ
GODZILLA : Resurgence
↑↑↑ 出だし書き始めがめんどくさいので前の記事からセルフパクリ
ではでは,思い立ったところから観た感想をつらつら書かせて頂いて,最後にまとめさせていただきましょうかね。。。
まとまらなかったらそーゆーことで。。。←ムセキニン
***** オープニング *****
まずは東宝映画のお馴染みのオープニングが流れ,続いてもう一度東宝?
白黒ではありませんが,総天然色を売りにしていた時代の東宝映画のオープニングキャッチが改めて流されます。
そしてタイトルと共にゴジラの咆哮が・・・
あぁ,この叫びは・・・
そして続いて最初にスクリーンに映るのは船の航跡・・・
ゴジラ(1954)へのオマージュを感じますね。。。
ラストの『終』の文字もたぶんゴジラ(1954)のトレースではないかな。。。
これ以外にもそこかしこに以前の名作に繋がるシーン,音響,場所,色々が作品に散りばめられています。
そのすべてを網羅できたわけではありませんが,一つ一つを先代作品思い出しながら楽しむことができますぞ!
***** 伊福部音楽 *****
ゴジラ・東宝特撮と言ったら切り離せないものに伊福部昭さんの音楽がございます。
なんでしょうね。。。
もう身体に沁みついちゃってて。。。
ハリウッド版ギャレス監督のGODZILLAがものすごく素晴らしい出来であったのは間違いなかったのですが,唯一と言って良いほど物足りなさというか,寂しさを感じたのは音楽でした。。。
もちろんハリウッド版に伊福部音楽がマッチするとは思えないのですが,新作を書き下ろすにしてもせめてパシフィック・リムのようなノリの良いところもとれるようなものもあっても良かったかと。。。
今回の「シン・ゴジラ」。。。
まんま伊福部音楽が使われておりますよね。。。
最初に耳に入ったとたんに涙が零れましたね。。。
旧作への愛と尊敬を感じます。
さすが庵野!&樋口!
そう叫びたくなる一瞬でございました。
伊福部マーチに心が踊りましたね!
そして対ゴジラ作戦計画進行シーンのバックにエヴァの音楽が・・・
をっ,合うなぁ~。。。
石原さとみがミサトさんに,市川実日子がリツコさんに見えてきますな。。。
(なんか語呂合わせにも感じてきた)
もちろんオリジナル音楽もこれらの調和を乱さぬようにうまく良く出来ております。
音楽に関してはさほど意識をしていなかったのですが,伊福部音楽の採用からしてしてやられた!ってのが正直な感想です!
***** ゴジラ *****
まずはビジュアルなお話を。。。
それこそ一番最初にこの新たなゴジラの姿が発表された時は衝撃的でしたけどね。。。
えぇ~~!!!怖すぎない?
子供泣いちゃうかも?
ひび割れてマグマチックにあかぎれしてるのは行き過ぎなんでない?
手,ちっちぇ~~!
目,恐ぇ~~!
しっぽなげぇ~~!!
でもね。。。
見慣れてくるとかなり味があるですよ。
ニコニコ超会議で『シン・ゴジラ初版雛形』を拝謁した時には,もうこのゴジラさんは歴代1,2のお気に入りの座に入りましたね!
このビジュアルになった経緯は,ストーリー上のゴジラの設定の上では必要不可欠なものであったことも映画観てよくわかりました。
ま,その辺の詳しいとこは観てない人のために書きませんけど。。。
そして強さ。。。
間違いなく歴代最強でしょう。。。
ってか,色々それは反則でない!?って言いたくなるほどのアレコレが。。。
書いちゃうとアレなんですけど,とりあえず合体とかは無いレベルですけどアニメとか特撮とかで大好きそうな展開になります。
ま,巨神兵のナニとか,イデオンのアレとか・・・
でも全然アリなつくりになってるのでぞれはそれで素晴らしい!
ぶっちゃけスクリーンで初見の時は,「そりゃ反則だろ!」って本気で口からこぼれてましたけど。。。
いや,惚れ惚れする強さですよ!
まさに一瞬んで東京が紅蓮の炎に焼き尽くされるシーンはもう本当に圧巻ですよ。。。(巨神兵レベル)
人智を超えた完全生物!っていう風に作品中で表現されていますけどね。。。
通常兵器が屁とも効かない理由もしっかりと定義づけされております。
世代交代なしに単体で進化を繰り返して行く生物なんて,倒す方法ないでしょ!って思いますもん。
さて,本作はゴジラシリーズ初のフルCG!
着ぐるみではないわけです。
着ぐるみあってのゴジラ!
もちろんそーゆー意見もあるでしょう。
それはそれで一理あり。
ま,理屈はおいといて今回のフルCGゴジラがどうだったかというと。。。
良いんでない!
すでに発表されちゃってるから書きますけど,モーションキャプチャーのゴジラ役は狂言師の野村萬斎さん!
観りゃわかりますけど,ベストチョイスだと思います!
萬斎さんがゴジラに似てるとかじゃなくて,今回の設定でのゴジラ象,ゴジラの動きにはまさしくこの狂言としての歩型はうってつけ!
形だけでなく600年以上もの日本の伝統を背負った動きは,「日本のゴジラ」の重厚かつ神がかった歩みにふさわしいものであったかと思います。
これはアッパレ!をあげたいほどの素晴らしいキャスティングだと思います。
で,その動きとか・・・
かなりゆっくり。。。
そして上陸して歩く姿には,一切の人間のペースお構いなしの独特の間が。。。
何ものにも関与を許さない絶対的な『虚構』の存在として,見事に新たなゴジラ像を完成させていると思いますね。
虚構だからこそ現実の日本の攻撃などなにも関与を許さず,その歩みを微塵も止めることがない。。。
常識的な現実社会では存在しえないエネルギーの塊のような存在が,「ゴジラ」という巨大な怪物になって上陸してきているって感じでしょうか。。。
現実の存在でありながら現実感を感じさせないリアルを作っていると思います。←何言ってるんだか
***** キャスト *****
主演?の野村萬斎さんと,自分的には主演(エキストラ)のおとうは置いといて,他のキャストの皆さんですが。。。
最初のキャスティングを聞いたときは少し主力層が若すぎるんでない?って気がしたのが正直な第一印象だったんですが。。。
映画観終わってからは,なるほどなるほどって感じで。。。
今回のゴジラは,いろんなところでチャレンジをしていると思います。
後でたぶん書くと思いますけど,それはCGゴジラとかそういう技術的な問題だけでなくて,直面するかもしれない大きな問題が生じた時に,日本政府や自衛隊や協力民間はどんなことができるんだ!?ってことを突き詰めるチャレンジです。
その一つの方向性として,日本は新たな一歩を歩み出す方向性もあるんだ!と,それを担う者は当然ある程度の若者,それも才能ある若者でなければいけないわけで。。。
そう思うと納得のキャスティングであったかと思います。
個人的には下記の皆さんが大変お気に入りになりました!
余貴美子さん扮する花森防衛大臣
⇒優柔不断な総理に決意を迫る貫禄は凄い!自衛隊の力を信じ,ゴジラ駆逐に自信を持ってGO!を出した顔と,ゴジラに敗れた時の表情とのギャップが凄い。
市川実日子さん扮する環境省の尾頭さん
⇒パキパキ自分のやるべきことをこなしていく姿は凄い!そして最後の復興に向けての希望を見つけた時の笑みがよりキャラクター性を際立たせてて素晴らしい!
高橋一生さん扮する文科省の安田さん
⇒高橋さんいつの間にか大活躍される俳優さんになってましたけど,やや重苦しいゴジラの展開の中で,彼のキャラクターが良い間を作っていたと思います。ゴジラの活動エネルギーの件で尾頭さんに誤るシーンは客席から笑いも出てました。
***** 本気の自衛隊vsゴジラ *****
予告編でも自衛隊とゴジラとのバトルシーンは放送されてますよね!
この映像ね。。。
凄いっすよ!
たぶん自衛隊マニアとかの人の方が,その凄さわかるんじゃないかな?
おとうの嫌いではないのでこれまで何度か自衛隊の総合火力演習とか行きましたけどね。。。
あのターゲットがゴジラであったら・・・
それも市街地・大都会での戦闘があったら・・・
ありえないリアルな映像がまさにスクリーンに現されたわけで。。。
(以下は総合火力演習で撮って来たやつ。)
【ゴジラに爆撃に来たF-2戦闘機】
【偵察ヘリ・ニンジャ】
【機銃掃射やミサイル発射してたコブラ!】
【そしてアパッチ!】
リアルな活躍はこんな感じ!
そして戦車部隊も圧巻でしたよね!
【自衛隊最新鋭10式戦車(ヒトマル)】
たぶん10式戦車はあんなに台数ないでしょうね。。。
映画だからこそ揃えられた台数!
知らない人は何気に発砲してるだけに見えるでしょうけどね。。。
戦車が走行しながら正確な射撃をするのって大変なことなんですよ。
それを可能にしたハイテク戦車が実は自衛隊の最新鋭10式(通称ヒトマル)戦車!
これが実戦?で活躍してる姿を観れるなんて・・・
それもゴジラ相手に。。。
(ノ_<。)うっうっうっ
ど本気ガチ勝負での市街戦をゴジラに仕掛けた自衛隊!
身震いするほどの戦闘でありましたが・・・
ゴジラには掠り傷一つ作ることができなかったのですけどね。。。
恐るべし完全生物・ゴジラ!
映画観てると随分回りくどい命令系統であったり,戦闘までの過程の長い確認事項であったり。。。
あれも制作側のリアリティー追及の一つの形とこだわりなんだと思います。
自衛隊の件に限らずですけどね。。。
このリアリティーの追及っていうのもこのゴジラを作るうえでの大きな障害であり,目標であり,そして完成した中では誇れるポイントになっていると思いますよ!
***** 日本は負けない *****
先ほどリアリティーの追及のお話を若干書きましたが・・・
本作品はいろんなところでリアリティーの追及に徹しております。
日本が実際にゴジラの出現に見舞われたら・・・
まずは本当にゴジラの存在を認めるのか?ってところからスタートして,何かをするための手続きであったり理由付けであったり・・・
会議を開くこと,会見をすることすら,しちめんどくさい手続きを踏まなければならないわけで・・・
そんなところまでたった2時間くらいの映画の中で現す必要があるのか?と問われる方も居るでしょう。
でもね。
それが庵野作品の一つのこだわりなんでしょうね!
例えばエヴァのストーリー中にはやたらセリフが多かったり,文字や写真のインサートが多かったりするカット割りが使われてたりしますよね。
あれも非現実な世界の中にどれだけ現実感を取り入れるかの一つの方法なんだと思います。
もちろんそれを肯定する方も否定する方も居るでしょうし,多くの映画作品は必要以上に上映時間内にこれらを入れることを積極的にはしていなかったと思います。
最も庵野作品らしさを感じさせたのはこーゆーところですよね。
さて,話を戻して・・・
「ゴジラが東京に来てしまった日本政府はどうするのか?」
お決まりの優柔不断であろう日本政府の対応。
そうした中でも必ず動いていかなければいけない方向性があり。。。
しかるべく駆除への決断を強いられていく。。。
そして,めんどくさい過程を色々踏んだうえでの「自衛隊vsゴジラ」の戦闘開始!
ハリウッド映画ではありえないつくりですよね。。。
ある意味メイドインジャパンを証明するコンセプトであるともいえます。
そんな優柔不断な日本政府(内閣)は,劇中まさにゴジラに一閃され消滅してしまいます。。。
まずは日本は圧倒的な敗北を受け入れざるを得なくなります。。。
ここで日本政府は生まれ変わりを余儀なくされるわけですな。
もちろんお決まりの政党だの年功序列だのと言う過程を経て,臨時内閣みたいなもんが出来てきて・・・
でも対ゴジラの対応は,縦割り行政の垣根を越えた「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」の皆さんが頑張るわけで・・・
ここからね。
日本も進化するんです!
ゴジラが究極の完全生物として進化するように,日本政府も自らの生き残りのために進化を余儀なくされるんです。
日本政府は予期せぬ未曽有の災害(ゴジラ)に見舞われた時,どうするのか?
必ずやアメリカや他国,国連決議等の外交的な問題も生じますし,復興もいつかは対処していかないといけない問題にもなる。
国益であったり自国のプライドであったり・・・
これまでできなかったいろんな事を,巨災対の皆さんを中心にして,日本中が頑張って対ゴジラ作戦の実行のための努力を続けていきます!
彼らのやってることは,内容的にはハイテクなのだけど,その過程はかなり泥臭く,アナログチックに見えるものではあります。
ただひたすらに日本国家の努力のみ!
本当にこれだけです。。。
映画の宣伝文句にある『現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)』
まさにその通りの展開であるわけです。
最後の一大決戦も各省庁,いや官民スクラムを組んだ総力戦でゴジラに戦いを挑んでいくわけですな!
うん,素晴らしい日本チックな展開だ!
この作戦の皮きり,そしてとどめに繋がる一撃を加えるのがJRであるのも意表をついております。
(総力感をより感じられます)
鉄道ファン必見ですぞ!
そしてゴジラを倒すべく立ち向かっていくのはなんと建築重機の大部隊!
重機マニアの皆さん,応援してあげてください!
東京駅赤煉瓦駅舎大決戦の中で,丸ビルそして新丸ビルが次々とゴジラを抑えつけるように倒れてくるシーンは,物言わぬ日本のビジネスパワーがゴジラを倒すために力を貸してくれているようにさえ思えます!
丸ビル兄弟の涙ぐましい決死の攻撃は圧巻です!
(単なる作戦的倒壊ですが・・・)
(追記)
※後から何度か観直したけど,丸ビルでないよね。。。
ってか,現存しない架空のビルだよね?
これから建てられるビルなのかな?
日本のビジネスマンそしてビルディングフェチの皆さま,貴方の丸ビルがゴジラを倒す力となります!
全ての日本がゴジラに立ち向かっていく!
映画としての醍醐味をものすごく味わえるようになっております。(←少し盛りすぎ)
細かなことは書けませんが,現代科学技術を超越したような新兵器も,味方になってくれる新怪獣が現れるわけでもありません。
展開的には,超進化完全生物のゴジラは,かなり地味な倒され方をすることになります。
しかし,その地味な手法こそが熱核攻撃でさえ完全駆逐が保証されないゴジラへの唯一の活動停止対応策であるからであり,日本の底力がそれに向けて集約していったわけです。
***** そしてゴジラは… *****
最期,日本を今後背負って立っていくであろう人々の手によってゴジラは「停止」させられます。
死ではありません。
おそらくは完全生物ゴジラは「死」さえも超越している可能性があります。
もしゴジラが活動を再開するようなことがあれば,3524秒後(←訂正:3526秒後 なんで間違えたんだろ?)には自動的に原潜から核弾道弾が飛んでくるはずです。
それが国連決議に従った日本を存続させる条件なのでしょうから。。。
今回のシン・ゴジラの物語は完結しているものですが,続作があるのであればこの3524秒後(←訂正:3526秒後 なんで間違えたんだろ?)の攻防になるのかもしれませんね。。。
そしていろんな謎はまだまだ残っております。
庵野作品ですからこの辺はお約束ですかね。
まさにラストシーンですかね。。。
停止したゴジラの尻尾の先に,異形の何者かを感じさせるものがアップになります。
進化であるからこそ,その形となったのか?何かを取り入れてそうなったのか?
そして,シン・ゴジラの「シン」は「真・新・神・SIN(罪)」のいずれであったのか?
わかりませんな。。。
まあ難しいことはさておいて,映画全体の中で感じたのは,この作品はやはり『特撮映画』であったこと!
これが大変心地よく,また日本オリジナルであることを証明する作風になっていたと思っております。
フルCGゴジラ他,最新の技術を駆使しながらも,明らかに特撮映画を撮っているんですよね。
ゴジラをとらえる画角であり,カットであり,編集であり・・・
微妙な味付けの問題だとは思うんですが,ハリウッド映画ではないのです。
今どきですから,お金かければもっともっとハリウッドチックな映画のつくり方もあるでしょう。
でもこれが良いです!これだから良いです!
ギャレス・エドワーズ監督のGODZILLA,ギルレモ・デルトロ監督のPACIFIC RIM,日本の特撮に感化された海外のマニアが創り上げたハリウッド作品が大ヒットをする時代になってきました。
では日本では誰が・・・
庵野・樋口両氏がこの作品に関わることを知った際に,特撮を愛するマニアがゴジラを創り上げる時代が来たことを感じました。
唯一不安要素であったのは,あまりに特撮マニアでありすぎる作品になってしまうことを恐れたのですが,あにはからんや。。。
新たな日本のサブカルチャーのフラッグシップと言える作品となったのではないかと思います。
映画作品としては,たぶん好みがわかれるところはあるでしょう。
でもね。。。
一見の価値はあると思います。
おとうは数見しておりますけど。。。
皆さま,是非ともご覧あれ!